「優良産廃処理業者認定制度」を知っていますか?
産廃処理業者の優良化を推進することを目的とした国の制度で、廃棄物処理法施行規則に定められた厳しい許可基準をクリアした優良な産廃処理業者を、都道府県や政令市が審査して認定する制度のことです。
2011年4月より運用が開始されていて、認定された業者の数は全処理業者のわずか1%ほどです(2016年10月調べ)。
この優良認定制度のしくみを知り、上手に活用して、より良い業者を選ぶようになりましょう。
優良産廃処理業者認定制度とは
産廃処理業者が「優良産廃処理業者認定制度」の認定を受けるためには、下記の基準をクリアする必要があり、各都道府県・政令市が審査し、認定します。
認定基準概要 | 内容 |
---|---|
実績と遵法性 | 5年以上の事業実績があり、その間に改善命令等の不利益処分を受けていないこと。 |
事業の透明性 | 許可の内容や過去3年間の処分の受託量など定められた情報をインターネットで一定期間継続して公表していること。 |
環境配慮の経営 | ISO14001、エコアクション21等の認証を受けていること。 |
電子マニフェスト | 排出事業者から要望があった場合に電子マニフェストが利用可能であること。 |
健全な財務体質 | 自己資本比率や経常利益等が一定の基準を満たしていること。 |
このように、処理業者の健全性などが審査されるため、認定された処理業者へより安心して処理を委託することができます。
優良認定業者を選ぶメリット
適切な業者を選ぶことが、会社自身の安心と信頼につながる
優良産廃処理業者に認定された処理業者を選ぶメリットには、どういったものがあるでしょうか?
例えば、ゴミを出す側(排出事業者)がマニフェスト発行義務を順守していても、廃棄物処理を委託した産廃業者が不正に処理した場合、排出事業者にも責任が生じます。
それは廃棄物処理法では、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。(第3条)」と規定されているためです。
このため、排出事業者は、適切に廃棄物を処理できる処理業者を選ばなくてはならないのです。
優良認定業者を選ぶメリットは、排出事業者自身の安心と信頼を守ることにもつながります。
許可証に「優良」の記載があるかをチェック
優良認定業者かそうでないかを見分ける簡単なポイントは、その処理業者が取得している「許可証」を見ることで判別できます。
優良認定を受けた処理業者は、許可証に「優良」の記載がされるため、許可証を確認するとわかります。
産廃処理業者を選ぶ際は、ホームページなどでその処理業者の許可証を確認し、「優良」の記載があるかをチェックするようにしましょう。
優良認定された業者を調べる方法
それでは、数ある産廃業者の中から、どうやって優良認定された業者を見つけたら良いのでしょうか?
すでに取引のある業者に依頼する際や、見積もりを依頼しようと思っている業者がいる場合は、その業者の許可証を確認して優良の記載がされているかをチェックすることで判別できますが、新しく優良の業者を探したい場合はどうしたら良いのでしょうか?
下記のリンクの産廃情報ネット等で調べることができますので、地域やフリーワードで検索して業者を調べてみましょう。
また、すでに取引のある業者の名前でも検索することもできます。
優良認定業者を調べる
「優良産廃処理業者認定制度」の認定を受けた処理業者をこちらで検索することができます。
業者の許可情報等を調べる
産廃情報ネットの処理業者を検索するシステム「さんぱいくん」で、産廃業者の許可の内容や処理状況などを確認することができます。
処理業者と管理業者を検索する
全国の産業廃棄物処理業者と、特別管理産業廃棄物処理業者を検索できます。
許可が取り消された業者を調べる
都道府県・政令市によって、産業廃棄物処理業の許可または産業廃棄物処理施設の設置許可を取り消された処理業者の情報を検索できます。
おわりに
「優良産廃処理業者認定制度」の基本とメリットについて、いかがでしたでしょうか。せっかくの国の認定制度なので、この機会にしっかり活用し、良い業者選びに役立てましょう。
ほかにも、東京都の優良認定業者「産廃エキスパート」などの認定制度もあるため、またの機会にご紹介いたします。