一般的な事業者のごみは、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2種に分類されますが、病院やクリニック・医学研究機関などの医療関係機関等から出るごみは、さらに「感染性廃棄物」と「非感染性廃棄物」に分けなくてはなりません。
特に感染性廃棄物は特別管理廃棄物に分類され、普通の廃棄物と比べて高い基準での処理が求められています。知らずに普通のごみと一緒に出してしまい、それが原因で第三者などに人的被害を及ぼしてしまった場合には、かなり厳しい法的罰則を受けてしまうと理解しておきましょう。
感染性廃棄物とは
感染性廃棄物とは、人が感染するおそれのある病原体が含まれていたり、付着している廃棄物、またはおそれのある廃棄物を指し、付着などにより感染の危険性が高いため、取り扱う業者側にも注意が必要です。
一般的な例として、以下のようなものがあげられています。
・輸血セット、輸液ルート
・血液・体液・組織および病原微生物等の付着した試験管やシャーレやガラス片
・血液・体液が付着したシリンジ、手袋、ガーゼ等
・透析器具
・HIV、MRSA、多剤耐性緑膿菌などの感染症患者に使用した器材等
・手術室、ICUにおいて治療や検査等に使用された器材等
・病原体の検査等に用いられた試験器具
・紙オムツ(感染性胃腸炎等)
また、下記については「感染性廃棄物」と同等の扱いをされています。
・外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤等
・血液等が付着していない鋭利なもの(破損したガラスくず等を含む。)
・医師等が感染性の恐れがあると判断したもの
発生した廃棄物が、感染性廃棄物にあたるか否かは、「感染性廃棄物判断のフロー」(環境省「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」(平成30年3月))を使って判断します。
・外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤等
・血液等が付着していない鋭利なもの(破損したガラスくず等を含む。)
(注1) ホルマリン漬臓器等を含む。
(注2) 病原微生物に関連した試験、検査等に使用した培地、実験動物の死体、試験管、シャー
レ等
(注3) 医療器材としての注射針、メス、破損したアンプル・バイヤル等
(注4) 感染症法により入院措置が講ぜられる一類、二類感染症、新型インフルエンザ等感染
症、指定感染症及び新感染症の病床
(注5) 医療器材(注射針、メス、ガラスくず等)、ディスポーザブルの医療器材(ピンセット、
注射器、カテーテル類、透析等回路、輸液点滴セット、手袋、血液バック、リネン類
等)、衛生材料(ガーゼ、脱脂綿等)、紙おむつ、標本(検体標本)等
なお、インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)
伝染性紅班、レジオネラ症等の患者の紙おむつ(参考1参照)は、血液等が付着していな
ければ感染性廃棄物ではない。
(注6) 感染性・非感染性のいずれかであるかは、通常はこのフローで判断が可能であるが、こ
のフローで判断できないものについては、医師等(医師、歯科医師及び獣医師)により、
感染のおそれがあると判断される場合は感染性廃棄物とする。
感染性廃棄物のごみの捨て方について
1.決して外部に漏れない容器に密閉して捨てましょう
感染性廃棄物は、排出された時点で専用の容器に直接分別し、以下のポイントを必ず守り、外部に漏らさないようにしましょう。
◎液状又は泥状のもの
血液等の液状又は泥状のものは、廃液等が漏洩しない密閉容器を使用します。
◎固形状のもの
血液が付着したガーゼ等の固形状のものは、丈夫なプラスチック袋を二重にして使用するか、堅牢な容器を使用します。
◎鋭利なもの、分別排出が困難なもの
注射針、メス等の鋭利なものは、金属製、プラスチック製等の耐貫通性のある堅牢な容器を使用します。
分別排出が困難なものもこちらに分類します。
それぞれの容器には感染性廃棄物であることが見て判断できるよう、専用のマークが定められています。
2.運搬されるまでの保管方法に留意しましょう
状態に応じて分別し、密閉した感染性廃棄物を安全に保管するためのポイントを守りましょう。
・関係者以外がみだりに立ち入れないような場所に保管する
・ねずみ、蚊、はえその他の害虫が発生しないようにする
・他の廃棄物等が混入しないように仕切りを設けたり明確に区別する
・見やすい箇所に取扱注意の表示を大きく明確に取り付ける
3.許可をもった専門業者に委託しましょう
感染性廃棄物の運搬・処理においては、特別管理廃棄物の許可をもった業者のみ取り扱うことができます。
一般廃棄物の普通ごみや、通常の産業廃棄物許可のみだと取扱ができませんので注意しましょう。
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