農業廃棄物(農業ごみ)とは?
農業生産活動に伴って発生した廃棄物のことを指します。
廃棄物処理法において、産業廃棄物または事業系一般廃棄物に分類されます。
個人農家であっても事業としていれば、家庭ごみとして排出することは原則できません(詳しくはお住いの市区町村にご確認ください)。
野焼きなどによる焼却処分や廃棄物の埋め立てなどは、廃棄物処理法で原則禁止となっており、違反した場合は依頼者を含め重い刑罰が科される場合もありますので、注意が必要です。
農業廃棄物の分類
産業廃棄物に該当する農業ごみ
産業廃棄物は、事業活動を行う中で発生する廃棄物の構成素材で分類(20種類)されますが、生活環境や人体に悪影響を与えるものは、管理がさらに厳しい特別管理産業廃棄物に分類されます。
廃農薬の成分に有機水銀、有機リン、チラウム・シマジン・チオベンカルブなどが含まれている場合は、特別管理産業廃棄物の扱いになるので注意しましょう。
産業廃棄物に該当する農業廃棄物の例
廃棄物の種類 | 具体例 |
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廃油(または、特別管理産業廃棄物) | 農業用機械に使用した潤滑油や燃料 |
廃プラスチック類 | ビニールハウス、肥料の容器、フィルム、テープ等 |
金属くず | カマなどの金属製道具、ビニールハウスの金属製骨組み |
ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず | 釜などの陶磁器製道具、農薬空びん |
産業廃棄物に該当する農業廃棄物の処分方法
産業廃棄物処理の許可を得た処理業者に委託して処分することが必要です。
事業系一般廃棄物に該当する農業ごみ
事業系一般廃棄物は、事業にともなってでてきた廃棄物のうち産業廃棄物に分類されないものを指しますが、その分別基準は市区町村によって違ってきますので、必ず市区町村に確認してみましょう。また、組成的に事業系一般廃棄物に分類されても、形状や大きさなどにより、焼却する上で問題がある一般廃棄物は、行政の運営する一廃焼却工場へ搬入が出来ませんので、ご注意ください。
廃棄物の種類 | 具体例 |
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普通ごみ | 生ごみ、木の根や伐採した木(長さ50cm以下、径10cm以下)、紙製の空肥料袋(中身空) ※東京23区清掃工場の受け入れ基準の一例 |
事業系一般廃棄物に該当する農業廃棄物の処分方法
一般廃棄物処理の許可を受けた業者へ回収処理を委託、または自身で市区町村に事前届け出を出したうえで、焼却処理場へ持ち込む方法があります。
許可を受けていない処理業者への委託は違法となりますので絶対にしないようにしましょう。
産業廃棄物に該当する農業ごみの保管方法・保管場所
廃棄物処理法では、排出事業者がその産業廃棄物が運搬されるまでの間に保管する場合の基準が定められています。
保管基準
産業廃棄物に該当する農業ごみの保管には、主に下記のような基準が設けられています。
・産業廃棄物を保管する場所に囲いを設けること
・汚水が発生する場合は、排水溝を設置すること
・特別管理廃棄物に該当するもの(廃農薬など)は、他のものと混合しないよう保存容器を密閉すること
・必須事項を記載した掲示板の設置
掲示必須項目
前項の設置義務のある掲示板への記載が必要な項目は主に下記です。
・産業廃棄物の保管場所であること
・保管している廃棄物の種類
・保管場所の管理者・法人名や連絡先
・屋外で容器を使用せず保管する場合、積み上げの高さ
まとめ
農業廃棄物の基本的な取り扱い方や分類、処分方法について解説しました。
同じく農業で発生した廃棄物でも、産業廃棄物に分類されるものと事業系一般廃棄物に分類されるものとでは取り扱いが変わります。
ただし、どちらも家庭ごみとして排出することはできませんので、必ず正しい処分方法を確認し、適切に保管・処分を行うようにしましょう。