あまり聞き慣れない言葉だけど、エコ活動や環境を守る取り組みを指すことが多いんだ。
近年、深刻な環境破壊や限りある資源の枯渇を食い止めるために、世界全体で取り組みが増えているよ。
サスティナブルの定義について
サスティナブル(サステナブル、サステイナブル)とは、「持続可能である」という意味であり、近年は特に環境問題の改善のために行われるエコな社会活動や、資源を守りつつ行う生産活動において使用されています。
言葉の用例としてよく使用されているのは、「サスティナブルな社会」「サスティナブルなものづくり」「環境をサスティナブルにする」「サスティナブルシティ」などがあります。
様々な業界におけるサスティナブルな取り組み
ファッション×サスティナブル
ファスト・ファッションの登場により、既存の「服を手入れしつつ長く大切に使う」ライフスタイルから、「安い服を買って使い捨てる」シーンが増えてきました。
しかし限りある資源を大切にするために、ファッション業界においても、特に大手メーカーにおいて、積極的にリサイクルできる素材を使用したり、古着の回収を行う企業が登場しています。
たとえばH&Mでは、2030年までに100%リサイクルできる再生可能素材を目指すことを発表しています。
また、アディダスは、2024年までに靴や衣類製品に使用するポリエステルを100%リサイクル素材に切り替えると発表しました。
他にも、有名ブランドにおいて、天然素材であるリアルファーの使用をやめ、代わりに化学繊維でできたエコファーを取り入れる取り組みも増えています。
今後もこういった企業で、リサイクル素材の活用や、資源を守りつつ行う生産活動が進んでいくでしょう。
建築×サスティナブル
建築という分野においても、サスティナブルが注目されつつあります。
たとえば2020年東京オリンピックのメイン会場になる新国立競技場「杜のスタジアム」 もサスティナブルの思想が取り入れられた建築です。
シンプル&コスト削減をテーマとし、木材をふんだんに取り入れ、積極的にエコ素材を取り入れることにより、スタジアム内の温度調整を可能にしています。
食品×サスティナブル
「フードロス問題」が注目されている食品については、各企業で廃棄を減らす取り組みがなされています。
先日、コンビニ大手のセブンイレブンが、消費期限の近づいた商品を、実質、値引きして販売する取り組みを来月から全国の約2万1000店で始めると発表しました。
他のコンビニでも値引きの取り組みを行うほか、クリスマスケーキなどの季節商品を完全予約制にすることでロスを減らしています。
コンビニから出る食品廃棄量の多さは以前から指摘されており、今後はこういった取り組みがいっそう進んでいくことが期待されます。
サステナブル・シーフード
近年、乱獲による水産資源の枯渇が問題視されています。一度減ってしまった資源を元の状態に戻すことは容易ではなく、限りある水産資源を守ろうとする動きも出てきました。
サステナブル・シーフードとは、水産資源と環境に配慮した漁業で獲られた天然の水産物、または環境と社会への影響を最小限にして育てられた養殖の水産物のことです。これらはそれぞれ規定の認証マークがつけられて市場に流通しています。
こういった商品を積極的に選ぶことが、重要な海の資源を守ることにつながるでしょう。
以上、さまざまな業界における、サスティナブルな社会活動をご紹介しました。
このように、近年はあらゆるジャンルにおいて、サスティナブルな社会への取り組みがなされているのがお分かりかと思います。
私たちにできることは、そういった活動を行っている企業の商品を選ぶようにしたり、家庭や事業所でのリサイクル、リユース活動を進め、貴重な資源を無駄遣いしないこと。
また、買ったものを長く使ったり、そもそも無駄なものを不要に買わないなどの活動が、よりサスティナブルな社会を作ることに繋がることと思います。
幸か不幸か、新型コロナウイルスによる経済活動自粛の動きにより、消費や生産活動が著しく低下した結果、温室効果ガスの排出量が世界的に激減しているそうです。大変皮肉なことではありますが、今回のことがこれまでの「大量生産・大量消費」を見直す良いきっかけになるかもしれません。