「循環型社会形成推進基本法」が施行されてから、「廃棄物のリサイクル化」に注目が集まっています。
「リサイクル」とは再循環を指し、ゴミを原料(資源)として、あたらな製品の原料にしたり再利用したりすることをいいます。
事業所から出たゴミのリサイクルは、おおきく、熱回収(サーマルリサイクル)、再生利用(マテリアルリサイクル)、再使用(リユース)にわけることができます。
リサイクルの優先順位
「循環型社会形成推進基本法(2000年)」では、廃棄物処理やリサイクルの優先順位をこのように位置付けています。
1 リデュース(ごみの発生抑制)
2 リユース(再使用)
3 リサイクル
4 熱回収
5 適正処分
この優先順位でもわかるように、できるだけゴミを減らし、再利用することが求められています。
それでは、具体的にどようなリサイクル方法があるかを見ていきましょう。
再利用(リユース)
一度使用されたものを、そのままもう一度使用すること。具体的には、一度使ったペットボトルを簡易水筒や花びんとして再利用したり、事業者が使用済み製品を回収・洗浄して再び製品や容器として利用したりすることをいいます。
リサイクルの際に一番燃料や原料の消費が少ない方法になります。
再生利用(マテリアルリサイクル)
製品化された物を、素材として再利用することです。「再資源化」「材料リサイクル」「再生利用」と呼ばれることもあります。
具体的には、ペットボトル製品を原料として加工し、「ペレット」という小さい粒状の繊維素材を造る事などをいいます。
製品の原料によっては、何度もリサイクルできるものもあります。
また、化学反応により組織変換後に再生利用する「ケミカルリサイクル」を含むこともあります。
原料として再利用する場合、徹底した分別が必須となるため、リサイクルマークが製品や容器に表示されていることもあります。
再生利用(ケミカルリサイクル)
一度使用されたゴミ(資源)を、化学分解後に組成変換し再利用すること。
主に廃プラスチックのガス化やコークス炉化学燃料化などのことをいいますが、食用油を石鹸化や飼料化することなども一例になります。
またペットボトルをモノマーに化学分解したあと、「ペットTOペット」にする技術も含まれ、広い意味での「マテリアルリサイクル」と言われています。
日本では、ゴミを燃やす際の単純な熱回収をサーマルリサイクルと呼び、ゴミを固形燃料に加工したり、熱処理の際に出る可燃性ガスなどを利用したりするリサイクルは、ケミカルリサイクルに分類されます。
熱回収(サーマルリサイクル)
廃棄物を単に焼却処理するだけでなく、焼却の際際に発生する熱エネルギーを回収・利用して、燃料や熱源として使用することです。
燃やす際のエネルギーを利用するほか、ペットボトルやほかの紙製品等と一緒に加工をし、「固形燃料」を作り利用することもあります。
循環型社会形成推進基本法第7条では、製品そのもののリサイクルに次いで循環的な利用として熱回収が位置付けられており、推進されています。
廃棄物処理法(2010年改正)においても、ゴミを燃やす際の熱エネルギー利用の促進が促されています。
リサイクルで地球と経済に優しい環境に
ゴミのリサイクルといっても、そのままの製品を再利用するだけでなく、製品を加工したり、製品を燃やす過程の熱を利用したり、様々なリサイクル方法があります。
その前に、ゴミを出さないリデュース(ごみの発生抑制)などの工夫をこらし、地球環境や経済にも優しい環境を作ることがこれからの時代に必要なのかもしれません。