事業所から出る大量の書類や紙ごみ。外部に漏らしてはいけない情報が書かれていることも多く、安全に、確実に処分したいものの一つですよね。
また、紙ごみをリサイクルして新しい資源に生まれ変わらせることで、限りある資源を守り、地球にも優しくなります。紙ごみの最適な処分方法とはなんでしょうか。
事業所から出る紙ごみを処分する3つの方法
1.シュレッダーにかけた上で、収集運搬業者に委託する
機密書類を処分する場合、オフィスのシュレッダーにかけるのが最も手軽で簡単な方法です。
しかし書類がホッチキスやクリップで止められている場合、1つ1つを取り除くのは大変な作業です。
また、廃棄したかどうかは担当者に確認するしかなく、確実に処分されたかどうかの証明書等もないので、信頼性に欠けるという点があります。
2.行政回収に委託する
東京23区をはじめ、全国の約10%の自治体が、少量排出事業所を対象に、オフィス発生古紙を回収しています。
1回の排出量は、10kg~50kg未満で設定している自治体が多く、料金はエリアや排出量によって、有料になる場合と無料になる場合があります。
3.機密文書処理を行う専門業者に委託する
顧客情報や機密情報が書かれた書類を確実に処分したい場合、専門業者が提供する機密文書処理を利用する方法があります。
専門業者によって行われる、具体的な機密抹消の方法としては、日本では主に
- ・移動式裁断
- ・定置式破砕
- ・直接溶解
という方法がとられています。
「書類溶解処理」とは、パルパー(溶解機)に、段ボール箱に入った機密書類を未開封のまま投入し、処分する方法。
業者によってはバインダーやホチキスなどを外さなくても処理できるため、一気に大量を処分できるというメリットがあります。
また、処理後の紙はリサイクルできるので、環境に優しい処分方法と言えるでしょう。
4.古紙問屋に持ち込む
古紙問屋は、回収した古紙を品目ごとに区分して製紙工場に搬入したり、輸出する役割を担っています。
直接持ち込むこともできますし、収集運搬業者が持ち込むこともあります。
リサイクル可能な「紙ごみ」の種類とは
事業所から出る紙ごみにはいくつかの種類があります。
適切なリサイクルのためには、きちんと分別して出すことが大切です。
事業所から出る紙ごみの一例としては、
- ・新聞
- ・雑誌
- ・段ボール
- ・OA用紙
- ・雑がみ
ティッシュ、菓子などの紙箱、紙袋、包装紙、その他ミックスペーパー(名刺,封筒,メモ紙,付箋紙など) - ・飲料用パック
などがあります。
また、紙ごみをリサイクルとして出す際、注意しなければいけないのは、リサイクル紙として出せない紙ごみ(禁忌品)があることです。
たとえば、
- ・カバンや靴などの詰物
- ・アイロンプリント紙
- ・臭いのついた紙
- ・シール、粘着テープ
- ・防水加工された紙
- ・カーボン紙、ノーカーボン紙
- ・感熱紙
これらはリサイクル紙としては再生できないため、排出の際に一緒に混ぜてしまうと、機械トラブルや不良品の原因になってしまいます。捨てる際には注意しましょう。
紙ごみリサイクルによって生まれ変わるもの
一般的に、事業所から排出されるOA用紙やシュレッダー紙は、新しい段ボールやコピー用紙、トイレットペーパーの原料として再生されています。
紙の原料はすべて木材(パルプ用材)です。不要になった紙を安易にごみにすることは、貴重な森林資源を浪費することにつながります。
紙のリサイクルは、従業員規模が比較的大きい事業所では取り組みが活発ですが、小さい事業所での適切な回収は、まだまだ十分に行われているとは言えません。
循環型社会の形成のために、少しずつリサイクル活動に取り組んでいきたいですね。